寝る前に水を飲むと太る、むくむと聞いて、飲んでいいのか、どれだけ飲めばいいのか迷っていませんか。この記事では、翌朝の体重が増えて見える理由、むくみの原因の見分け方、寝る前の1杯の量と飲み方を、公的機関や医療機関の情報をもとにまとめました。夜中のトイレが心配な人や、医師から水分の指示を受けている人の飲み方も取り上げています。
寝る前に水を飲むと太る?むくむ?噂の真相

翌朝の体重やむくみが気になるときは、水の量より先に、塩分の多い食事や水以外の飲み物を見直してください。ただし、一度にたくさん飲むと、夜中にトイレで起きやすくなります。
寝る前に白湯や水を飲むと太る?翌朝の体重が増えて見える理由
白湯も水を温めただけのものなので、水と同じく、飲んで太ることは基本的にありません。大阪グランドクリニックのコラムは、水自体にカロリーはないと説明しています。豊岡市のサイトでは医師が、病気が重い人でなければ、余分な水は尿や汗として出ていくと話しています。
それでも翌朝、体重計の数字が増えていることはあります。よくある原因は、飲んだ水そのものの重さ、塩分の多い夕食や夜食、水以外の飲み物です。
| 増えて見える原因 | 体重計の数字に起きていること | 見直すこと |
|---|---|---|
| 飲んだ水の重さ | コップ1杯(約200ml)の水は約200gで、飲んですぐ量ると増えて見える。体重は食事や排泄で1日のうちにも変わる | 同じ時間帯に量り、数日分の動きを見る |
| 塩分の多い夕食や夜食 | 体に水分がたまり、むくみや体重増加につながる | 夕食の味つけを薄くし、夜食の塩分を控える |
| 水以外の飲み物 | ジュースは糖分が多く、水と違ってカロリーがある | 寝る前は水か白湯にする |
翌朝の体重が増えているときは、水より先に、前の晩の塩分の多い食事や夜食、水以外の飲み物を振り返ってください。1回ごとの数字に一喜一憂せず、同じ時間帯に量った体重の数日分で見るのが目安です。
がぶ飲みは夜中にトイレで起きる原因に。大量なら水中毒のリスクも
寝る前に一度にたくさん飲むと、夜間の尿が増えて、夜中にトイレで起きる原因になります。水中毒(低ナトリウム血症)は、腎臓が排泄できる1時間あたり1L前後を超える水を短時間に飲み続けたときに起こることがあり、頭痛やめまいなどの症状が出ます。コップ1杯(約200ml)の水をゆっくり飲むぶんには、水中毒が起こる量を大きく下回ります。
寝る前の水とむくみの関係は?
水分の摂りすぎはむくみの原因のひとつで、腎機能が低下している人では特に起こりやすくなります。ただ、むくみは塩分やアルコール、同じ姿勢が続くことなどでも起こるので、寝る前の水だけのせいとは限りません。
当てはまる原因を次の表で探し、「寝る前に見直すこと」の列を試してください。
| 考えられる原因 | 何が起きているか | 寝る前に見直すこと |
|---|---|---|
| 塩分・アルコール・夜食 | 塩分をとりすぎると体に水分がたまる。アルコールも原因のひとつ | 夕食の味つけを薄めにし、夕食以降のお酒を控える |
| 同じ姿勢・運動不足 | 長く立ちっぱなしや座りっぱなしが続く日、体を動かさない日にむくみやすい | 日中に立ち座りや歩く時間を入れる |
| 水分の摂りすぎ | 過剰な水分も原因のひとつ | 寝る前はコップ1杯(約200ml)までにする |
| 病気・ホルモン・妊娠・薬 | 腎臓・心臓・甲状腺の不調、脚の静脈瘤、女性ホルモンの変動、妊娠、薬の副作用でもむくみが出る | むくみが続く、急に強くなったときは受診する。薬は自己判断でやめず、医師や薬剤師に相談する |
原因の分け方は、医療法人社団の平成医会、日本腎臓学会、全国腎臓病協議会の説明をもとにしています。
寝る前の1杯でむくむと感じる人は、まず寝る前の水の量を減らして、翌朝のむくみを比べてください。変わらなければ、表にある水以外の原因を見直しましょう。
寝る前に水を飲むことが勧められる理由
寝ている間に失う水分の量と、寝る前の水と脳梗塞の関係を、この下で順に確かめます。
寝ている間に失われる水分はどれくらい?

寝ている間も汗や呼吸で水分が出ていくため、体は脱水傾向になるとされています。失われる量は、オムロン ヘルスケアの健康情報では平均してコップ1杯程度(約200ml)です。暑い夜はさらに多く、約500mlほどとする資料もあります(出典により幅があります)。
寝る前のコップ1杯(約200ml)は、寝ている間に失う水分のうち、少ないほうの量にあたります。
失った水分が足りないまま朝を迎えると、寝起きのだるさや頭痛、喉の渇きが出ることもあるとされます。だるさや頭痛が毎朝続くときは、水の量で様子を見ず受診してください。
寝る前の水で脳梗塞は防げる?
寝る前に水を飲んでも、それで脳梗塞を防げるという確実なデータはありません。
オムロン ヘルスケアの健康情報で、日本医療大学総長の島本和明医師は、水分を多くとって脳梗塞が減ったという確実なデータはないと答えています。日本泌尿器科学会も、水を飲めば血液がサラサラになり脳梗塞や心筋梗塞を予防できる、という考えに科学的根拠はないと説明しています。
一方で、脱水は血液の粘り気を高め、脳梗塞や心筋梗塞のリスク要因のひとつとされています。「健康のため水を飲もう」推進委員会は、寝ている間の脱水を防ぐため、寝る前の水分補給を呼びかけています。
寝る前の水は、病気を防ぐために量を増やすものではありません。寝ている間の脱水を防ぐ分として、コップ1杯(約200ml)にとどめてください。
寝る前の水の正しい飲み方とは?

寝る前の水は、コップ1杯の水か白湯を、数口ずつゆっくり飲むのが目安です。夜中のトイレが気になる人は夕食後から寝るまでの合計で、医師から水分の指示を受けている人はその指示で、量を決めてください。
- 飲む量はコップ1杯(約200ml)
- 飲み方は、数口ずつゆっくり
- 飲み物は水か白湯(カフェインを含む飲み物は避ける)
1日に飲む水分のなかで、寝る前の1杯はどう位置づける?
1日に飲む水はコップ6杯ほどで、寝る前の1杯はそのうちの1杯です。文部科学省の日本食品標準成分表2020年版(八訂)では、成人が1日にとる水分を、飲み水約1.2L、食べ物の水分約1L、体内でつくられる水約0.3Lとしています。飲み水の1.2Lは、コップ(約200ml)で6杯ほどです。
水分は朝から夕食までにしっかりとり、寝る前は控えめにするのが基本です。泌尿器科クリニックのuMIST東京代官山も、この飲み方を説明しています。「健康のため水を飲もう」推進運動は、寝る前や起床時、入浴の前後、のどが渇く前の水分補給を呼びかけています。
夜中のトイレが心配な人は、どれだけ飲めばいい?
夜中のトイレが気になる人は、夕食後から寝るまでに飲む水を、合計でコップ1杯までにするのが目安です。泌尿器科専門医が院長を務める所沢いそのクリニックも、この量を目安にしています。のどが渇いたときは、常温の水か白湯を数口ずつゆっくり飲むのがおすすめです。
夜の尿を増やすのは、水の量だけではありません。夜間頻尿診療ガイドライン第2版(日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会)は、アルコールとカフェインも要因に挙げています。寝る前の水と一緒に、次の点にも注意してください。
- 晩酌での深酒や寝酒を控える。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、睡眠の質を悪化させる可能性があるとしています
- 夕方以降のカフェインを控える。同じガイドは、夜の睡眠に影響しやすいとしています
- 日中に脚がむくむ人は、夜に横になると脚の水分が血管に戻り、夜の尿が増えることがあります(所沢いそのクリニック)
水の量を減らしても、夜中に何度もトイレで起きる日が続くときは、泌尿器科などを受診してください。
医師から水分の指示を受けている人は、寝る前の水をどうする?
腎臓や心臓の病気で治療中の人は、水分の量を医師から指示されていることがあります。その場合は、寝る前のコップ1杯という目安より、医師の指示を優先してください。「健康のため水を飲もう」推進運動も、同じ注意をしています。
腎機能が低下している人は、水分をとりすぎると、むくみや体重の増加、血圧の上昇が起きます(全国腎臓病協議会)。寝る前に1杯足すときも、まず主治医に確かめてください。
指示を受けていなくても、腎臓や心臓の持病がある人や、むくみと体重の増加が続く人は、寝る前に水を飲む習慣を始める前に主治医に相談してください。
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寝る前の水に関するよくある質問
寝る前の水で痩せるのか、肌や睡眠によいのか。寝る前の水に期待されがちな効果について、確認できた根拠の範囲で答えます。
寝る前の水で痩せる?
寝る前の水そのもので痩せるという根拠は確認できていません。水だけを飲んで太ることも、基本的にありません。体重が気になるときは、寝る前の飲み物がジュースやお酒など水以外になっていないかを見直しましょう。
寝る前の水は美容に関係ある?
美容への効果を示す公的な根拠は確認できていません。寝る前の水は、就寝中に失われる水分を補うために飲むものと考えてください。
寝る前の水は睡眠の質や翌朝の集中力に関係ある?
寝る前の水が睡眠の質や翌朝の集中力を高めるという根拠は、どちらも確認できていません。
まとめ
寝る前にコップ1杯の水を飲んでも、それで太ることは基本的にありません。むくみが気になるときは、寝る前の水を減らすだけでなく、前の晩の塩分の多い夕食や夜食、お酒も見直してください。
寝る前の水のがぶ飲みは、夜中にトイレで起きる原因になります。就寝中の水分不足を補うなら、寝る前にコップ1杯(約200ml)を数口ずつ飲むのが目安です。夜中のトイレが気になる人は、夕食後から寝るまでの合計でコップ1杯までにします。腎臓や心臓の病気で医師から水分の指示を受けている人は、その指示を優先してください。
今夜のコップ1杯を飲んだら、翌朝のむくみや体重、夜中にトイレで起きた回数を確かめてください。
この記事で参考にした情報
- 「健康のため水を飲もう」推進委員会
- 国立循環器病研究センター「脱水や夏かぜにご注意ください」
- 日本泌尿器科学会「夜間、何度も排尿で起きる」、夜間頻尿診療ガイドライン第2版(日本排尿機能学会・日本泌尿器科学会)
- 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
- 文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
- 全国腎臓病協議会、日本腎臓学会の水分とむくみの解説
- 豊岡市「水分を採り過ぎると『水太り』になる?」
- 大阪グランドクリニック「水の飲み過ぎは、水太りの原因になるの?」
- オムロン ヘルスケア「夏の脳梗塞予防は、上手な水分補給で」、「寝る前に水を飲むと、脳梗塞の予防になる」についての医師の回答
- 所沢いそのクリニック「寝る前の水と夜間頻尿の関係」、uMIST東京代官山、平成医会
各情報は2026年9月に確認した内容です。
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